食育シンポジウムレポート
第19回 食育シンポジウムレポート
2025年2月15日（土）に曳舟文化センター（東京都墨田区）で、弊機構主催の第19回食育シンポジウムを開催。
第１部では第19回食育コンテスト「いただきます ごちそうさま」の講評、内閣府特命担当大臣賞・文部科学大臣賞・審査員特別賞受賞園の活動事例発表をご覧いただきました。第２部では林典子先生による食物アレルギーに関する講演していただきました。
食育コンテスト総評
NPO法人 こどもの森理事長・日本大学短期大学部前教授 吉田隆子先生
今回、応募された活動は、さらに内容としての深まり、活動のレベルの高さを感じます。どの活動も入賞に値するようなもので、審査にあたる私たちはとても悩みました。
どの活動も、食育基本法・食育推進基本計画、保育所保育指針、幼稚園教育要領などを踏まえて食育の計画を立て、保育と融合しながら、食育活動を展開しています。遊びの中での食育活動、地域に助けられながら、またお互い助け合いながらの食育活動、存分に味わうことのできる自然の中での食育活動と、各園の特徴が生かされた保育食育の報告でした。また、大都会であっても限られた環境を充分に生かし、子どもの心に沿いながら地道な保育と食育の活動に頑張っている姿が感じられました。そして、保育も食育も子どもたちの「生きる力」をしっかりと育てていることを活動の多くから改めて感じさせられました。
これからも地域と一層連携し、地域全体で食育へ取り組む協力体制を上手に作り食育を展開していただけたらと審査員一同願っております。
食育コンテスト講評
こども家庭庁 成育局 母子保健課 久保さま
文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課 平手さま
入賞園の事例発表
内閣府特命担当大臣賞
おひさまの食育～「食」を中心とした豊かな暮らし～
（一般社団法人凌雲 おひさまの森）
講評
公益財団法人 児童育成協会・月刊誌『こどもの栄養』編集担当・管理栄養士 岡林一枝 先生
おひさまの森の応募作品には、８つの審査のポイント（1：子どもたちの思いを受け止めているか 2：活動がイベントでなく生活の営みであるか 3：活動が子どもの発達や生活の連続性に配慮しているか 4：職域を超えたチームワークがとれているか 5：過程が取り組める内容か 6：地域性を考慮しているか 7：絵本や教材の活用が適切か 8：レポートのまとめ方は適切か）すべてに、私は満点をつけました。応募いただいた食育活動からは、子どもたちが一生懸命楽しんでいることが感じられ、そしてそれを保育者、調理スタッフが楽しく見守っているところがとても素敵だなと思いました。
文部科学大臣賞
「食」を通じて繋がる輪～地域の中で育む「生きるからだとこころ」～
（学校法人黒田学園 日南幼稚園）
講評
千葉大学名誉教授 明石要一 先生
食育の原点である、おなかがすいたら食べるというはらぺこ体験。飽食の時代だからこそのよい取り組みだと思います。また、調理する前に実物にふれる、育てる、そして調理して製品化して販売するといった一連の活動もよかった。さらには、高校生と連携した取組。これは新しい地域社会の連帯のかたちだと思います。
審査員特別賞
野菜の栽培、収穫、クッキングを通して変化した子どもや保護者の意識の変化
（社会福祉法人遊亀会 ちいさな保育園マーナ）
講評
東洋大学非常勤講師・管理栄養士 太田百合子先生
栽培・収穫を中心に切れ目のない食育が展開されていました。子どもに野菜への愛着心を芽生えさせ、家庭での食を豊かにしていくこと、そういった取り組みがすばらしかったです。また、レポートのまとめ方も秀逸だったので高く評価されました。今回は、記録すること、振り返って確認すること、園の活動を保護者に興味を持たせることの大切さを再確認できました。
基調講演 ☆楽しく食べるために
～食物アレルギー対応についておさらいしましょう
講師：林 典子先生(十文字学園女子大学准教授・管理栄養士)
●食物アレルギーとは
●食材ごとのアレルギー症状、対応など
●給食での食物アレルギー対応の考え方など
★ご参加いただいた方に、第19回食育コンテスト入賞園の活動、各園への講評、林 典子先生の基調講演資料を掲載した『食育活動実践事例集vol.19』を差し上げました。
☆第20回食育コンテストにつきましては2025年6月下旬に当ホームページにて詳細をお知らせいたします。
また、食育シンポジウムにつきましては10月下旬にお知らせいたします。
どうぞよろしくお願いします！