NPO法人幼年教育・子育て支援推進機構

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食育シンポジウムレポート

第20回 食育シンポジウムレポート

2026年2月14日(土)に曳舟文化センター(東京都墨田区)で、第20回食育シンポジウムを開催しました。
第1部では、「園の食育活動の参考になる」と好評の、食育コンテスト「いただきます ごちそうさま」受賞園の活動事例発表(4園)をご覧いただきました。第2部では、現役保育士・子育てアドバイザーのてぃ先生に講演していただきました。

 

 

食育コンテスト総評

東洋大学福祉社会デザイン学部非常勤講師・管理栄養士 太田百合子さま

第20回食育コンテストならびに食育シンポジウムが開催され、主催者を代表して審査委員の太田百合子さまからご挨拶と全体報告が行われました。
太田さまは、20回という節目を迎えることができたことに感謝を表し、今回も多くの応募をいただいたことを報告。審査項目として、多職種のチームワーク、地域性を大切にした取り組み、子どもの主体性の引き出し、個人差の尊重、保護者との連携などに着目したことを説明されました。

また、太田さまは子どもの主体的で対話的で深い学びの重要性を強調し、子どもを主語に置き換えることから始まる食育の在り方について言及しました。主体性を勘違いすると、子どもの思うがままにやりたいようにやらせてしまい、小学校での座学困難や偏食・肥満の増加につながる可能性があることを指摘。そして、近年では園内だけでなく、保護者や地域ぐるみで行う活動が増えており、小学生から高校生、地域の自治会、農家、食品工場、シェフ、海外の園児など様々な人との関わりを持つ園が増加していることを評価されました。

 

食育コンテスト講評

こども家庭庁 成育局 母子保健課 久保さま
文部科学省 初等中等教育局 幼児教育課  平手さま

 

 

入賞園の事例発表

内閣府特命担当大臣賞

「やってみたい」で繋がり広がる子中の食育
(社会福祉法人喜慈会 子中保育園)

小中保育園からは、「やってみたいでつながり広がる小中の食育」というタイトルで活動報告が行われました。
保育理念「チャレンジする心、応援する心を育む」と食育目標「おいしい、楽しい、また食べたい」を土台とした活動を展開し、菜種油作りでの子どもの「油って作るの大変なんだね」という体感的な学びを紹介。食育サイクル(見る・知る・育てる・つくる・味わう・伝える・分かち合う)を通じた循環型食育モデルを実践していることを報告しました。

 

文部科学大臣賞

裸麦から広がる❝みそまる❞物語 ~子どもたち・家庭・地域を結ぶ味噌づくり~

( 認定こども園 エンゼル幼稚園)

エンゼル幼稚園からは、「裸麦から広がるみそまる物語」として、江戸時代から裸麦の産地として知られる松前町の地域特性を活かした食育活動が報告されました。
4月の麦畑散策から始まり、7月のみそ仕込み、9月のマイみそラベル作り、10月のみそラーメン試食、11月の高齢者福祉施設へのみそプレゼントまでの一連の活動を通じて、保護者アンケートでは97.5%が食べる意欲の高まりを感じたと回答したことが話されました。

 

優 秀 賞

おこめプロジェクト

(社会福祉法人遊亀会 エミー認定こども園)

エミー認定こども園からは、「おこめプロジェクト」として年長児7名で取り組んだ活動が報告されました。
田んぼの土作りから始まり、20束の苗を植えたことで枯れちゃった事件、雨水事件、スズメ事件など様々な困難を乗り越え、最終的に1合のお米を収穫したことが報告されました。もみすりの作業に1か月かかったことや、稲刈り鎌を購入するために子どもたちが働いてお金を集めたエピソードも紹介されました。

 

優 秀 賞

子どもの声から広がるゆりぱん活動

(社会福祉法人遍照会 幼保連携型認定こども園 連島こども園)

連島こども園からは、「ゆりぱんオープン」として、職員のエプロンのパンどろぼうの柄から始まった活動が報告されました。
路線バスを利用してパン屋さんに行き、パンを購入。その後に製作あそびでパンを作り、パン屋さんごっこを展開したことが報告されました。新園舎にはランチルームを設け、3歳児以上は職員も含め全員がランチルームで食事をとる環境を整備したことも紹介されました。

 

 

各発表に対して審査委員からの講評が行われ、それぞれの専門的な視点から評価とアドバイスを提供しました。特に子どもの主体性を重視した取り組み、地域との連携、PDCAサイクルの実践、多職種連携の重要性などが共通して評価されました。

 

基調講演 子どもたちの笑顔を作る食育
~現役保育士のてぃ先生から学ぶ❝食べる楽しさ❞を引き出す実践術~

講師:てぃ先生(現役保育士・子育てアドバイザー)

基調講演は、保育士として17年の経験を持つてぃ先生。てぃ先生は、現代の保護者や教育者が情報過多の時代において、子どもたちとの関わり方について重要な視点を提示しました。

講演の核心部分では、2023年4月に施行されたこども基本法を参考に、子どもの権利について説明。てぃ先生は大人の押し付けによる食育が子どもにとって本当に良いことなのかと現状を批判されました。また、苦手な食べ物を無理に食べさせることよりも、食事の時間が楽しいかどうかの方が重要だと強調しました。

質疑応答では、食わず嫌いの子どもへの対応、食べるのが遅い子どもへの声かけ、食に興味を持ってもらう方法、楽しめる食育活動について具体的なアドバイスが提供されました。

 

★ご参加いただいた方に、第20回食育コンテスト入賞園の活動、各園への講評などを掲載した『第20回食育コンテスト入賞事例集』を差し上げました。

☆第21回食育コンテストにつきましては2026年6月下旬に当ホームページにて詳細をお知らせいたします。
 また、食育シンポジウムにつきましては10月下旬ごろにお知らせする予定です。
 どうぞよろしくお願いします!

 

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